【社会】奨学金を借りたせいでやりたい仕事に就けなかった…毎日納豆生活で栄養失調に。月収21万円、22歳上京女性の後悔「月1万円が足枷」

【社会】奨学金を借りたせいでやりたい仕事に就けなかった…毎日納豆生活で栄養失調に。月収21万円、22歳上京女性の後悔「月1万円が足枷」

このブログ記事は、奨学金の負担がどれほど若い世代に影響を与えるかを深く考えさせられます。特に22歳という若さで経済的な苦労を抱える女性の体験談は、多くの人に共感を呼ぶことでしょう。やりたい仕事に就けないというのは、夢を追いかける上で大きな障害になりえます。このような現状を知ることで、奨学金制度の見直しや、支援の必要性を再認識するきっかけになると感じました。

奨学金は、多くの若者にとって大学進学のための重要な資金源だ。しかし、返済に苦しむ現状を知らない人も少なくない。大学生の奨学金に対する意識や、奨学金の返済が進学・就職・キャリア形成にどのような影響を与えるのだろうか。本記事では、AさんとBさんの事例とともに、奨学金返済の現状と社会的課題について、アクティブアンドカンパニー代表の大野順也氏が解説する。

奨学金返済の不安から大学進学を断念

あるSIer企業のキャリア開発研修に参加した際、業務範囲を超えた知識やスキルを身につけたいと話すAさんの姿が印象的だった。話を聞くと、彼は奨学金返済への不安から大学進学を諦め、就職したという。

※企業や組織のために情報システム(ITシステム)を設計、開発、導入、運用する専門の企業のこと

奨学金=借金”という意識と進学への葛藤

Aさんの両親は、高校卒業後にすぐ働きはじめ、若くしてAさんを授かった。

「母親は21歳で出産し、自分が1歳になるタイミングですぐに職場復帰しました。育児だけでも大変なのにフルタイムで仕事をこなし、本当に尊敬しています」

高校での進路相談時、両親からは「やりたいことがあるなら大学にいかせてやりたいけど、奨学金を借りてもらう必要がある。どこも人が足りてないから高卒でも働き口はあるよ」といわれた。数学が得意だったAさんは、データを扱う分野に漠然と興味を持っていたが、“奨学金=借金”という意識が強く、進学に抵抗感があった。

Aさんは、「進学して就職できなかったら、就職できても給与が低く奨学金の返済を滞納してしまったら……と、不安が募る一方でした」と振り返る。その結果、社会人になってから自力で大学に通うこともできると考え、高校卒業後すぐに就職した。

働きながらスキルを習得する難しさ

就職して5年が経ち、Aさんはこれからのキャリアについて考えている。「毎日目の前の仕事に追われ、仕事が終わったあとで業務範囲外の新しい知識を学ぶのは本当に大変です。わかっていたことですが、大卒社員とのキャリアパスの差も明確で、社内での昇進には限界があります」と、冷静に語った。

さらにAさんは、「自分のやりたいことに時間やお金を投資できる環境を手に入れたい」と、転職も視野に入れているという。社会人になってからも学ぶことはできると奨学金を借りずに就職したAさんはいま、社会に出てから学ぶことの難しさを痛感し、身を置くべき環境を模索している。

奨学金を借りたけれど…

高校2年生のとき、将来の選択肢を広げるために大学進学を決めたBさん。しかし、親からは「奨学金が借りられるなら借りて、生活費に充ててほしい」といわれた。家庭の経済状況を考えた結果、高校2年生の時点で奨学金を借りることを決断した。

Bさんは当時のことを、「大学へ行って一人暮らしをするつもりだったが、働いた経験もなく、一人暮らしの生活費がどのくらいかかるのか想像もつかなかった。奨学金は借金というイメージで不安もあったが、大学へ行かないという選択肢はなかった」と振り返る。

大学生活と奨学金の活用

上京してからは奨学金として毎月5万円を受け取りながら、週4日ほど居酒屋アルバイトをしており、月のアルバイト代は約8万円。この13万円の中から、家賃や光熱費を支払い、残りの金額からサークル活動費や交際費も支払う。Bさんの場合、奨学金の振り込み日は毎月10日ごろ、アルバイト給料日が15日なので、月の前半はいつも懐が寂しく、納豆ばかりの生活になった。

就職活動と金銭的な負担

大学2年生の後半から、インターンシップを始める友人も出てきて、Bさんも就職活動に向けた準備を進めるようになった。大学3年生になると、就職活動が本格化し、会社説明会や企業研究に時間を割いているが、その影響でアルバイトの時間を確保することが難しくなった。

「面接が始まると、さらに時間が取られる。移動に伴う交通費もかかるため、金銭的にも厳しい。すでに内々定をもらっている友人もいたので、焦りを感じた」とBさんは話す。

また、卒業後に始まる奨学金の返済についても、「就職したら給与や手取りがどれくらいかはわからないどころか、就職できるかどうかもわからない。どのような仕事をやりたいかではなく、奨学金をきちんと返済できるかどうかが重要になってきている」と語る。奨学金を借りて大学へ行く選択をしたBさんは、近づきつつある奨学金の返済に怯えた。結局、あまり興味のない業界の一番早く内定が出た初任給21万円の企業に就職。

「もっと自分のやりたいことを考えて進路を選んでいればよかった。奨学金の月の返済額は1万円ちょっと。でも、お金のことが頭から離れず、焦ってしまって……。食費も削っていたので毎日フラフラしていました。追い詰められて、自分が本当にやりたかった仕事じゃないところに進んでしまった」後悔を語る。

大学授業料の高騰と奨学金の負担増加

授業料引き上げの動き

2024年12月、日本経済新聞では、2025年度以降に約4割の大学が授業料引き上げを検討していることが報じられた。物価高騰による光熱費・人件費の上昇、教育・研究環境の改善やDX化への投資による国際競争力の強化が要因だ。授業料引き上げは学生やその家族に直接的な影響を与え、奨学金に頼る学生の割合は今後さらに増加するのではないだろうか。

現在の奨学金利用状況

奨学金を借りている学生からは、以下のような声があがっている。

アルバイトを掛け持ちして生活費を捻出している

・貯金しなければならないと食費を削りすぎたことで栄養失調になり入院した

・就職のプレッシャーから精神的に追い詰められ、休学している

こうした現状を踏まえると、単に奨学金の貸与を増やすだけでなく、返済支援の仕組みを拡充する必要があると考えるのは当然ではないだろうか。

奨学金返済がキャリア形成や人生設計に与える影響

奨学金の返済負担が若者の選択を制限

賃金の伸び悩み・物価高騰・社会保険料の増加・企業の大卒前提の採用戦略など、若者は厳しい経済環境に置かれている。奨学金の返済負担がキャリア選択の自由を制限し、結婚・出産に消極的になる要因にもなっていることを考えると、この問題は個人の責任ではなく、社会課題としてとらえるべきではないだろうか。

社会全体で支える持続可能な就学・就職サイクル

その一つが、地方自治体や民間企業による奨学金返済支援制度の導入だ。具体的な取り組みとしては、以下のようなものがある。

・企業が奨学金返済を支援する「奨学金代理返還制度」

・大学や地方自治体による奨学金制度の拡充

奨学金の返済支援は、単に個人の負担を軽減するだけでなく、少子高齢化対策や多様な人材活用の推進にもつながる。単なる福祉政策ではなく、日本の将来の競争力強化にも寄与する。社会全体でこの課題に取り組む必要があるだろう。

大野 順也

アクティブアンドカンパニー 代表取締役社長

奨学金バンク創設者

(出典 news.nicovideo.jp)

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