【社会】KOMPEITO、福利厚生サービスとしての無人販売を展開

【社会】KOMPEITO、福利厚生サービスとしての無人販売を展開

このような無人販売システムの導入は、企業にとってもコスト削減効果があり、従業員にとっても福利厚生の一環として魅力的です。

◆地方と都市部で導入が拡大 海外展開にも着手

食の福利厚生サービスとして、オフィスに無人販売機を設置して生のサラダなどを販売するKOMPEITO(東京都品川区)。日本各地から届く新鮮野菜を、管理栄養士監修のもとサラダや惣菜にしてオフィスなどへ届けている。福利厚生の一部として採用が進み、都市部のオフィスに加えて地方でも様々な場面で活用されているという。今後は米国での事業展開にも着手するほか、日本でのシェア拡大も進める。

◆コロナ禍に地方などで伸長 人手不足なども背景に

KOMPEITOは2012年に創業し、直売ECサイトなどを手掛けてきた。従業員の健康を守るための福利厚生サービスとして立ち上げた「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、14年から本格的に取り組んでいる。

「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」は、企業が費用の一部を負担するため、社員はほとんどの商品を1個100円で購入できる。商品は、冷蔵の「やさいプラン」は月に約50品、冷凍の「ごはんプラン」は月に約30品を展開している。

元々は都市部のオフィスへの提案が中心で、利用は着実に伸長していた。しかし、コロナ禍に企業の出社機会が減ったことで、売上は大きく減少。その一方で、地方でのニーズの高まりが顕在化してきたという。

KOMPEITO 取締役の好岡利香子COO
KOMPEITO 取締役の好岡利香子COO

取締役の好岡利香子COOは「コロナ禍において、地方の飲食店では中途半端に営業するよりも休業して給付金をもらう方が経営的にも良かったため、休業状態にあった店が少なくなかった。そのため、製造業や建築業、業務の都合でリモートワークを急には導入できなかった企業など、出社しなければならない会社に勤めている方がランチに困ることも多かったため、そうした企業からのニーズが顕在化した」と明かす。

そこで、地方での提案を強めたところ、売上は大きく伸長したという。「コロナ禍以降は基本的に150%以上の成長をずっと続けている状況で、その時に契約していただけた企業との契約は継続しているところが多い」(好岡COO)。

新型コロナウイルスの影響が薄れてからは、都市部でも出社機会が増え、「オフィスに来てもらうきっかけ作りのような形で契約される会社も増えた」ため、売上はさらに伸長したようだ。

「業界は本当に幅広く問わず導入いただけており、小規模なクリニックを含む病院やホテル、薬局では、一気に採用していただける事例もある。また、「『本社は社食があるのに支社には何もないため不平等だ』という声もあるので、そこへのソリューションとして無人販売はニーズがあるのでは」と話す。

また、人手不足も浸透した要因の1つに挙げる。「企業においては、人材不足ということもあり、雇用する際のアピールとして福利厚生としてこうした取り組みを導入していることが差別化になる。社員の健康を考えていることを伝えるためのツールとしても機能しているのでは」と推測する。さらに、ホテルや工場などで従業員向けのサービスとして導入する企業もあるという。コンビニなど買い物のできる場所がない場合などにも重宝しているようだ。

加えて、コロナ禍に広がったリモートワークが今も一定程度は残っているため、コロナ禍以前よりも出社の機会が減り、社員食堂の利用機会はコロナ禍以前よりも減少したため、閉鎖に踏み切る企業も少なくないようだ。これが、導入のきっかけにもなっているという。加えて、「社食と併用できる点も当社の強みで、サラダやスイーツなど、もう1品を気軽に加えられるほか、社食が営業していない時でも軽食などを購入できることは強みだと感じる」と話す。

◆商品は地産地消を意識 飽きのこないラインナップ拡充を意識

同社は製造と物流の拠点を9カ所持っている。基本的に商品はローカライズしており、「地産地消の取り組みを大事にしており、同じサラダでも、沖縄ならばゴーヤを使う、といった形でローカライズしている」ようだ。

また、「飽きが来ないようラインナップの拡充を進めているほか、健康的な価値を訴求できる商品を充実させている」という。

今後については「引き続き、健康面も意識しつつ、オフィス内で食べるというところも一つポイントになるので、ワンハンドで食べやすい商品なども意識したい」と話す。

◆北米でのテスト販売もスタート 日本でもシェア拡大へ

今年から、北米でもオフィス向けのサービスの展開を開始した。日本と同じく企業から一部金額をもらうという事業モデルで、健康価値を訴求した冷凍弁当を提供している。現在は5社でテスト販売に取り組んでいる。

商品は現地の協力工場で製造している。「現地で作った方が鮮度も高く、配送費なども抑えられる」という。ローカライズはしつつも、「バターチキンカレーや焼鳥ボール、ベジタブルプロテインボール、牛丼など、現地の方に好まれそうな商品ながらも、日本ブランドみたいなところは大事にしつつ、現地で支持されることも狙った商品を提案している。

「日本で食をスタンダードにしていくことを続けながら、これをグローバルスタンダードにしていくことも目指している。利用されている方の声を聞きながら、どういう商品がマッチするか、ニーズをまずは探っていければ」と語る。

「日本において、法人数から考えると市場のシェアはまだほとんどとれていない。まずは存在感をより発揮できるよう市場シェアを拡大し、10年後にはシェアの10%を獲得できれば」と力を込めた。

〈冷食日報 4月16日付〉

オフィスに無人販売機を設置して生のサラダなどを販売

(出典 news.nicovideo.jp)

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