【社会】あなたも「入れ歯難民」になる恐れ つくり手の歯科技工士が不足する見通し
【社会】あなたも「入れ歯難民」になる恐れ つくり手の歯科技工士が不足する見通し
超高齢化社会が進んでいるのに、入れ歯が作れなくなるかもしれない。
全国の開業医などで構成する全国保険医団体連合会(保団連)は24日、全国の歯科技工所のうち84%で後継者がいないとのアンケート結果を公表した。歯科技工士の高齢化も顕著で、27.5%が「5年後はやめていると思う」と回答。会見した保団連の歯科担当役員は「このままでは近い将来、必ず『入れ歯難民』が発生する」として、技工士の待遇改善などを訴えた。(長久保宏美)
歯科技工士 歯科医師の指示に基づき、入れ歯や差し歯、かぶせ物などを作る国家資格。厚生労働省の公表資料によると、2022年の免許登録者数は12万3870人。このうち、実際に業務に従事している人数は3万2942人で就業割合は26.6%。歯科技工の歯科保険点数は、市場価格である技工料を基準に公定価格が決まる特殊な仕組み。市場価格の値下げ競争が激しいため、労働実態や技術力、安全性が点数に反映されていないとの指摘がある。
◆「5年後も技工士続けている」41%だけ
調査は昨年9~10月、全国の歯科技工所を対象に実施。36都道府県の技工所から2002件の回答があった。
技工所の技工士の人数は65.4%が「1人」だった。1週間の労働時間は70時間以上が39.3%に上り、90時間以上も15.2%いた。「ほとんど休みがとれない」と回答した人は3割を超え、厳しい労働実態が浮かんだ。
税金や経費を差し引いた1年間の可処分所得は「300万円以下」が39%を占めた。5年後の自身の状況について「技工士を続けていると思う」と回答した人は41%、一方で「5年後は技工士をやめていると思う」と回答した人は27.5%いた。後継者がいないと…(以下有料版で)
東京新聞 2025年4月25日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/400792