【国際】なぜ多くの観客が劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」を絶賛するのか?―中国メディア
【国際】なぜ多くの観客が劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」を絶賛するのか?―中国メディア
2025年4月19日、中国のポータルサイト・捜狐に多くの観客が劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」を面白いと絶賛する理由について考察した記事が掲載された。(本記事はネタバレを含みます)
記事は、「『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は、第15回北京国際映画祭でプレミア上映されて以降、観客やファンから広く高い評価を獲得しており、劇場版『名探偵コナン』シリーズの中でも爆発的ヒット作となっている」と紹介した。
そして、同作について「長野県の雪崩事件と天文台の密室殺人事件を主軸に物語が展開される。事件は複雑かつ論理的に設計されており、現実的な要素も巧みに組み込まれている。推理の過程は一歩一歩丁寧に積み重ねられ、逆転劇は観客の予想を良い意味で裏切る仕上がりである。近年の劇場版で見られた『アクション重視・推理軽視』の傾向と異なり、同作は推理、アクション、キャラクター描写のバランスが非常に優れている。糸を一本一本ほどくように真相へ迫る叙述スタイルが、黄金期といえる初期の劇場版を見事に再現している」と評した。
続いて、「上映時間109分の間、全編にわたり退屈する瞬間は一切存在しない。熱量満点のシーンがありつつも、毛利小五郎(もうりこごろう)が覚醒状態で挑む硬派な推理パートも堪能でき、緩急のバランスが取れた鑑賞体験を提供している。同作のメインキャラクターとして、小五郎は『眠りの小五郎』という設定を脱却し、警察学校出身として神業のような射撃技術とプロ意識で事件解決を主導している。江戸川(えどがわ)コナンを救い、長野県警との息の合った連携を見せる場面では、『かっこよすぎて思わずお父さん!と叫びたくなる』と称賛されている」とした。
また、「毛利蘭(もうりらん)は空手による三連蹴りや、雪中で犯人を制圧するアクションシーンで輝きを放つ一方で、中国の書物やことわざに精通し、コナンの推理を示唆する知的な一面も披露している。さらに、コナンに赤い蝶ネクタイ型のマフラーを結ぶシーンは作中屈指の『胸キュン萌(も)えポイント』となった。長野県警の大和敢助(やまとかんすけ)、諸伏高明(もろふしたかあき)、上原由衣(うえはらゆい)の連携も見事であり、それぞれの作戦や名演技、名ゼリフは、いずれも観客の間で大きな話題となった。少年探偵団や灰原哀(はいばらあい)たちも、作品に必要不可欠な見せ場をしっかりと担っている」と言及した。
さらに、「IMAXや4DXで上映された雪崩シーンは、『制作費が爆発したかのような視覚的衝撃だ』と称賛されている。銃撃戦などのアクションシーンも、リアリティーと『コナン的フィクション』が見事に融合した仕上りになっている。また、日本のロックバンド・King Gnuが手掛けた主題歌『TWILIGHT!!!』は、一度聴いたら耳から離れない中毒性を持ち、ストーリーとの親和性も非常に高い。上映後には観客から『メロディーが頭から離れない』との声が多く寄せられている」と述べた。
このほか、「コナンは終始、蘭が巻いてくれた赤い蝶ネクタイ型マフラーを着用しており、2人が並んで戦う姿や甘える仕草などの細かい演出が、工藤新一(くどうしんいち)×蘭推しのファンを『尊すぎて気絶しそうだ』と歓喜させている。劇中では、新一とコナンの正体を示唆するシーンもあり、甘さと切なさが交錯している。敢助と上原の大人の恋愛模様、小五郎と長野県警の戦友としての絆、風見裕也(かざみゆうや)の社畜的な日常といったサブストーリーが充実しており、観客それぞれの好みにに幅広く対応している」と論じた。
そして、「日本公開初日の興行収入は10億5000万円を突破し、劇場版『名探偵コナン』シリーズの歴代最高の初日記録を更新。 第15回北京国際映画祭では、日本公開からわずか1日遅れというスピードでプレミア上映され、夏休みシーズンの公開に向けた期待感はますます高まっている。劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』は完成度の高い脚本、キャラクターの輝く場面と感情的共鳴によって、近年最も評価の高い劇場版の一つとなった。近いうちに中国公開され、観客と再びスクリーンで出会える日が来ることを楽しみにしている」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
