【社会】中国人による土地「爆買い」、日本で危機感高まり具体的対策も―香港メディア
【社会】中国人による土地「爆買い」、日本で危機感高まり具体的対策も―香港メディア
香港メディアの亜洲週刊はこのほど、日本では中国人による土地購入が多いことにより危機感が生まれており、当局も対策に乗り出していると紹介する、毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。以下は、同記事の主要部分を再構成した文章だ。
日本では中国の富裕層や法人が土地など不動産を購入する事例が多く、都市部の不動産価格の高騰につながる懸念が発生している。また、中国人が防衛施設周辺など「敏感な地域」で不動産を大量に購入していることも問題視されている。保守党所属の島田洋一衆議院議員は5月14日の国会審議で、「国際法の常識である相互主義に基づけば、中国のように、日本人を含む外国人が土地を購入できない国の国民には、日本の土地や建物、分譲マンションなども買えないようにするというのが、一つの常識的な発想だ」と発言した。
東京や大阪などの都市は生活環境が優れている上に、日本以外の大都市よりも不動産価格が低い。さらに民泊や賃貸などの事業が成立する可能性もあることから、これまで以上に多くの中国の富裕層や法人などが不動産を「爆買い」するようになった。日本不動産研究所などの報告によれば、日本国内の不動産取引において外国人が購入する割合は全体の3割にのぼり、うち中国人による購入が60%以上を占めるという。
中国人など外国人による北海道の土地や森林、さらには離島や日本の重要な防衛施設周辺の土地や建物の大量購入という現象も起きている。日本政府は2021年に施行した「重要土地等調査法」は、重要施設などの周辺を「注視区域」に指定し、土地取引はすべて厳しく審査されると定めている。同法に基づいて指定された「注視区域」は333カ所に達した。
日本の内閣府が公表した調査結果によれば、23年度に外国人または外国の法人、地域、地域法人が日本全国の「注視区域」において土地や不動産建物を購入した件数は計371件で、うち中国人または中国法人によるものが全体の54.7%の207件だった。次いで多かったのは韓国人または韓国法人による購入の49件で、台湾人または台湾法人によるものは46件だった。
とりわけ注目されるのは、日本防衛省市ヶ谷本部周辺の重要エリアにおける104件の取引のうち、65件の土地や不動産が中国人による購入だったことだ。さらに、陸上自衛隊補給統制本部の近隣にも中国人が取得した土地や不動産が29件あった。陸上自衛隊司令部が置かれている東京・練馬駐屯地の管理区域内の20件の土地など不動産取引のうち、18件は中国人が購入したものだった。その他、地方の防衛施設周囲の「注視区域」でも中国人や中国人法人による不動産購入が目立つ。
外国人による「注視区域」での不動産購入は、日本の世論や社会の関心を大いに呼び起こした。参議院外交防衛委員会では、国民民主党幹事長の榛葉賀津也議員が、外国人による土地購入に対する国民の不安に言及した。与野党は、日本の国家安全を確保するため、土地取得や使用、管理を促進するための法整備を加速すべきとの共通認識に至った。日本の主要メディアの多くも、安全保障にとって極めて重要な土地や不動産の外国人や外資による取得を制限する政策を、日本政府が速やかに打ち出すべきと主張している。(翻訳・編集/如月隼人)
