【社会】マイナ保険証“切り替え”で医療現場が悲鳴!会計パンク、詐欺被害も増加…

【社会】マイナ保険証“切り替え”で医療現場が悲鳴!会計パンク、詐欺被害も増加…

マイナ保険証の切り替えがもたらす医療現場の苦境は、単に業務の停滞にとどまらず、患者にとっても影響が及ぶ重要な問題です。特に、会計がパンクしたり詐欺被害が増加しているという事実には、深い懸念を抱かざるを得ません。この問題を解決するためには、政府や医療機関が力を合わせて改善策を講じる必要があります。

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マイナ保険証の取得が進めば病院の窓口は大混乱に(写真:共同通信

マイナ保険証のオンライン資格確認でエラーが出て、診療をあきらめて帰ってしまう患者さんもいるようです。こうしたトラブルが続くと命取りになりかねません」

そう明かすのは、全国保険医団体連合会(以下、保団連)事務局次長の本並省吾さん。

マイナ保険証の取得は、あくまで“任意”。一方で、現在の健康保険証は、12月2日に新規発行が停止されることが決まっている。

ところが、保団連が行った最終アンケート調査では、回答した約7割の医療機関で「政府が全登録データをチェックした2024年5月以降も、マイナ保険証にトラブルや不具合がある」と答えているのだ。

マイナ保険証とは、健康保険証として利用登録したマイナンバーカードのこと。医療機関で使用する際には、備え付けのカードリーダーで顔認証するか、4ケタの暗証番号を入力するなどして、オンライン資格確認ができる。過去の受診や処方歴などもわかる。

本来、利便性が上がるはずのマイナ保険証だが、医療現場でのトラブルは減るどころか、「昨年の調査より10%増えている」(本並さん)。 利用率も、国民全体は13.87%、国家公務員はさらに低く13.58%(9月時点)と低迷している。

トラブルが多発していることも、利用率が上がらない要因のひとつ。

「もっとも多いのが、“山﨑”の“﨑”など、常用漢字ではない文字が表示されず、●と出てしまうことです。受付では、患者さんを呼んで漢字を確認しなければならず、時間をとられてしまいます」(本並さん)

続いて多いのが、カードリーダーの接続不良など。

〈カードリーダーの電源がつかなくなり、修理に出したが戻ってくるまで1カ月かかった〉
〈カードリーダーの操作中に“準備中”の表示になってしまう。こうした不具合が度々起こる〉

なぜ、こうした接続不良が繰り返されるのか。

「午前中の診療受付開始と同時に、全国の医療機関が一斉にサーバーにアクセスするので、動きが遅くなったりサーバーがダウンしたりするようです」(本並さん)

その間、紙の保険証ユーザーは、すいすい受付をすませている。

〈保険の切り替え手続きはすんでいるのに、マイナ保険証には反映されておらず確認が取れなかった〉〈マイナ保険証の期限切れで読み取り不可となってしまった〉といった事例も多く報告されており、病院の窓口で、いったん10割負担を求められることもある。

北原医院(大阪府守口市)の医師、井上美佐さんは、「車いすの方や、認知症のある高齢者は操作が困難だ」として、こう続ける。

車いすの方の場合、座ったままではカードリーダーの機械に届きません。顔認証するためには、介助者が本人を後ろから抱えて機械に顔を近づけることもあるのですが、一回で認証されることはまずないので、何度も抱えて近づける必要があり、とても大変です」

認知症の方は、顔認証画面にまっすぐ顔を向けることが困難。顔認証の代わりに4ケタの暗証番号を入れてもよいが、番号を覚えていない方のほうが多いという。

マイナ保険証のみになってしまうと、窓口がパンクしかねない。

認知症の利用者も多く入居している高齢者施設でも混乱は続く。

「印鑑証明と同レベルの力をもつマイナ保険証を預かることは、施設にとって情報漏えいの観点からリスクが高い。そのため、暗証番号も含めてマイナ保険証は預かれない、という施設もあるようです。

『通院の際は家族が付き添ってください』と言われるそうですが、緊急の場合は家族が付き添えないこともあるでしょう」(本並さん)

これでは、入居者の命も守れず、家族の負担も増えるばかりだ。

マイナ保険証の登録を解除することも可能だ さらに注意したいのはマイナ保険証に関連する“特殊詐欺”だ。

防犯アドバイザーの京師美佳さんは「マイナ保険証への切り替え時期をねらって、厚労省の名をかたるフィッシングメールや電話が増えています」と、警鐘を鳴らす。

「〈マイナ保険証に切り替えないと保険証が使えなくなるので、こちらから登録してください〉などと言い、リンクをクリックすると、個人情報や暗証番号などの入力を求められ、情報を抜き取られてしまうというケースが多いようです」

ほかにも、スマホのビデオ通話機能などで手持ちのマイナンバーカードを表示させる手口もある。

札幌市在住の70代女性が自宅に「総合通信局の職員や警察官を名乗る人物から、『口座の情報が流出している』という電話を受け、スマホのビデオ通話機能でマイナンバーカードを相手側に示した。その後、相手側は、女性名義のネットバンク口座を偽造し『あなたの口座が凍結される』などとして預金の移し替えを持ちかけ、女性が偽造口座に1千400万円を振り込んでしまうという事件があった。

「偽造口座が特殊詐欺など犯罪に利用される可能性もあるでしょう。さらにクレジットカードまで作成されれば、限度額まで買い物をすることも可能です」(京師さん)

年収500万円の場合は限度額は50万円から300万円が相場だ。つまり身に覚えのない300万円もの買い物被害にあうことも考えられるのだ。 「暗証番号まで教えてしまった場合は、勝手に公的書類を発行されて、自分の不動産を売買されてしまう可能性もあります。

マイナ保険証に切り替えたい方は、病院や薬局のカードリーダーで申請を」(京師さん)

詐欺メールや電話で、うっかり暗証番号などを教えてしまったという場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)や、警察に連絡しよう。

前出の本並さんはこう念を押す。

マイナ保険証に切り替えていない方には、加入している保険組合から、これまでの保険証と同様に使える“資格確認書”が送られてきます。ただし、すでにマイナ保険証を取得している人には送られてこないので、資格確認書が必要な方は、加入している健康保険組合に問い合わせてマイナ保険証の登録を解除する必要があります」(本並さん)

12月2日を過ぎても、現在の保険証は記載された期限まで使用できる。慌てずに対応しよう。

(出典 news.nicovideo.jp)

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