【社会】トー横キッズが見た能登半島「僕たちと似ている部分がある」 居場所を失った被災者に自らを重ね

【社会】トー横キッズが見た能登半島「僕たちと似ている部分がある」 居場所を失った被災者に自らを重ね

記事を通じて、トー横キッズの成長物語が描かれています。彼らは自身の苦悩を抱えつつも、能登半島の被災者との交流を通じて新たな視点を得ることができました。

今年1月1日石川県能登半島で起きた地震からもうすぐ1年が経つ。9月には記録的な豪雨に襲われ、甚大な被害が発生した。

そんな被災地に縁もゆかりもないトー横キッズたちが11月初旬、ボランティアで訪れた。「僕たちと似ている部分があった」。現地住民との交流を通してそう感じたという。

支援者「トー横キッズに違う世界を」

トー横キッズたちが能登半島を訪れたのは11月1〜4日。大きな被害を受けた輪島市珠洲市(すずし)、穴水町を回り、仮設住宅などで生活する住民との交流をメインとしたボランティア活動に取り組んだ。

きっかけは歌舞伎町でトー横キッズたちの相談に乗ってきた天野将典さん(46)の提案だった。

天野さんはいつか被災地に支援に行こうと思っていたといい、「違う世界を見たらトー横キッズたちも何か思うことがあるんじゃないか」と考えて声をかけた。その結果、10〜20代のトー横キッズ5人が応じた。

●「物理的にも人間的にもつながりが切れてしまう」

そのうちの一人で、トー横キッズたちの間で「あまちゃそ」というあだ名で呼ばれている大学生の男性(22)は、「おもしろそうだなと思ったのと、ちょっとでも役立てばいいなと思って軽い気持ちで行きました」と話す。

現地の関係者の案内で被災者の住まいを訪れ、「困っていることはありますか?」「これから頑張りたいことはありますか?」と質問したり、逆に「トー横ってどういう場所なの?」と尋ねられたりしたという。

その中で、ある住民が「高齢者の憩いの場は多いが、若い人が集まる場所が少なく、若者のつながりがなくなった」と話していたのが印象に残っているという。

「災害によって物理的な面だけではなく、人間の内面的な繋がりも切れてしまうということをこれまでニュースを見ていても気づかなかった。トー横キッズはよく『居場所がない子たち』と言われるが、被災者もそれに少し似ているなと感じました」

●被災した高齢男性が元気に

この大学生の男性はこれまで東京で生まれ育ち、大きな災害を直接体験したことがない。それだけに、能登半島で家や道路が崩れ落ちたままになっている光景を目の当たりにした時、「衝撃的すぎて逆にリアルなものと思えなかった」。

山間地の集落を訪れた際、そこに住む高齢の男性が「私は死ぬ準備をしている」という話をしてきた。トー横キッズたちがじっくり話を聞いていると、最後には「もう一回頑張ってみようか」と元気な様子になったという。

天野さんはその場面を振り返り、「一人暮らしの高齢者は若者と話す機会がないので、うれしいんだと思う。トー横キッズたちが逆にあちらを元気付けられた感じがして、思っていた以上によい経験になった」と話す。

●「復興は全然進んでいない」

冒頭の大学生の男性は「ボランティアといっても活動は住民との交流が多く、楽しむことがメインだったので行ってよかった。楽しさを通じて能登半島の現状、被災地の状況を知ることができた」と語る。

天野さんは「能登半島の復興は全然進んでいない。今回の経験が、これからどこかで災害が起きた時にトー横キッズたちが『ボランティアをしよう』と思うきっかけになってほしい」と話している。

トー横キッズが見た能登半島「僕たちと似ている部分がある」 居場所を失った被災者に自らを重ね

(出典 news.nicovideo.jp)

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