【国際】フォルクスワーゲン、2030年までに3万5000人の雇用削減へ 6500億円コストダウン
【国際】フォルクスワーゲン、2030年までに3万5000人の雇用削減へ 6500億円コストダウン
約70万台を減産
ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、最大40億ユーロ(約6500億円)のコスト削減に向けた包括的な事業再編計画の一環として、今後5年間で3万5000人の雇用削減を行う予定である。
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この決定は、労働組合との協議の結果、合意に達したことを受けて12月20日に発表された。フォルクスワーゲンは事業再編について、EVシフトに向けた業務の合理化、効率化、競争力のある財務基盤の確保が目的だと説明している。
社会的な混乱を最小限に抑えるため、雇用削減の大部分は早期退職などの自主的な措置を通じて実施されるという。フォルクスワーゲンはドイツ国内に約12万人の従業員を擁しており、そのうちの約半数がウォルフスブルクの本社工場で働いている。
また、事業再編では生産効率の最適化とリソースの再配置を優先し、ドイツの生産ネットワーク全体の年間生産能力を70万台削減することを目指す。
1901年に設立され2009年にフォルクスワーゲンが買収したオスナブリュックの旧カルマン工場と、2002年に高級車のフェートンを生産するために開設されたドレスデンの「ガラスの工場」はしばらく稼働を続けるが、コスト削減のために事業転換される予定だ。
『Wards Auto』の報道によると、オスナブリュック工場は現行のTロック・カブリオレの生産契約を履行するため、2026年まで操業を続ける予定である。防衛関連企業が工場に参入し、可能な限り雇用を維持する計画があると言われている。
EVのID.3が生産されているドレスデン工場は、車両生産を停止する。将来的には、フォルクスワーゲンが運営する技術部門が置かれる見通しだが、その詳細は未定だ。
フォルクスワーゲンの経営陣と労働者代表の間で数週間にわたって協議が続けられた後、今回の再編発表に至った。この協議は、フォルクスワーゲン・グループのCEOであるオリバー・ブルーメ氏が市場競争における障壁としてドイツ国内の高賃金を挙げ、劇的な人件費削減策を求めたことに端を発している。ブルーメ氏は20%の人件費削減を提案し、会社の長期的な競争力を維持するには工場の閉鎖が不可欠であるとして物議を醸した。
オスナブリュックとドレスデンの工場閉鎖の可能性はドイツ国内で厳しい批判を招き、ドイツ議会でも議論が巻き起こった。フォルクスワーゲンの経営陣は3か所目の工場の閉鎖も検討していたが、ツヴィッカウとエムデンの両工場はコスト削減策の対象から外された。
フォルクスワーゲンの再編は、同社が直面する微妙なバランス取りを浮き彫りにしている。ゴルフ、ティグアン、パサートといった従来からのベストセラー車の生産を維持しながら、ID.3、ID.4、ID.7といった新型EVの生産を拡大していくという課題だ。
BYD、奇瑞汽車、吉利汽車などの中国自動車メーカーとの競争が激化する中、この合意は利益率の向上に向けた重要な一歩となる。
フォルクスワーゲンの監査役会は先週金曜日に特別会議を開き、この合意を承認し、再編への強い支持を表明した。一方、フォルクスワーゲンのコーポレートガバナンスにおいて強力な影響力を持つ労働組合は、2030年までの雇用保障条項など、従業員への影響を和らげる措置を確保することに成功したが、2030年までの賃上げは見送ることで合意した。
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