【社会】「年収の壁」緊急アンケート。配偶者がいるアルバイト・パート従業員の約半数が「年収の壁」ありの働き方に満足せず

【社会】「年収の壁」緊急アンケート。配偶者がいるアルバイト・パート従業員の約半数が「年収の壁」ありの働き方に満足せず

最近の緊急アンケートによると、配偶者がいるアルバイトやパート従業員の約半数が「年収の壁」に不満を抱えていることが明らかになりました。この、「年収の壁」が彼らの仕事の選択肢や生活の質にどのような影響を与えているのか、もっと深掘りしていく必要があります。

Sasuke Financial Lab株式会社が運営する保険の一括比較・見積もりサイト「コのほけん!」は、全国の20歳〜59歳のアルバイト・パートで働く既婚の男女360人を対象に、2024年12月5日~7日の3日間において、インターネットリサーチによる「年収の壁と働き方に関する意識調査」を実施した。

【画像】現在の年収を教えてください

■調査背景

配偶者の扶養内でアルバイトやパート従業員として働く人にとって、一定の年収を超えると所得税が発生したり社会保険料の負担が発生したりする「年収の壁」は、働き方に大きな影響を与える要因のひとつ。しかし、今年になってにわかに「年収の壁」が今後大きく動く可能性が出てきている。

103万円をはじめとした「年収の壁」の廃止や引き上げについて、国会議員やメディアなどでさかんに議論されているが、こうした「年収の壁」やその変化は働き方にどのような影響を与えるのかを探るため、「年収の壁と働き方に関する意識調査」を実施。

■調査サマリー

・約5割が「年収の壁」を意識して働いている。年収100万円以上110万円未満でその傾向が特に顕著。

・約5割が「年収の壁」を意識した働き方に「満足していない」。理由は「生活に必要な収入が得られていないから」が最多。

・約6割が「年収の壁」の変化を歓迎しているが、それをきっかけに働き方を変えたいという声は約4割にとどまる。

■調査結果詳細

■Q1.現在の年収を教えてください。

・現在の年収「50万円以上100万円未満」が約3割

「50万円以上100万円未満」が最多の29.2%、次いで「100万円以上110万円未満」が12.5%、「50万円未満」と「200万円以上」が10.3%という結果になった。

■Q2.働く時間を抑える「働き控え」など、ある一定の年収があると課税されたり配偶者の扶養から外れたりする「年収の壁」を意識した働き方をしていますか。

・約5割が「年収の壁」を意識した働き方をしている

「はい」が49.7%、「いいえ」が50.3%という結果となった。なお、年収別に見ると「はい」の割合が最も多かったのは「年収100万円以上110万円未満」だった。

※Q1とのクロス集計

■Q3.「年収の壁」を意識した働き方にどれくらい満足していますか。(Q2で「はい」の回答をした人への質問)

・約5割が「年収の壁」を意識した働き方に「満足していない」

「満足している(「非常に満足している」「ある程度満足している」の合計)」が21.8%、「満足していない(「あまり満足していない」「まったく満足していない」の合計)」が51.9%、「どちらともいえない」が22.3%という結果になった。

■Q4.「年収の壁」を意識した働き方に満足している理由を教えてください。(Q3で「非常に満足している」「ある程度満足している」と回答をした人への質問)

・「配偶者の扶養の範囲内で働けているから」が最多

「配偶者の扶養の範囲内で働けているから」が最多の82.1%、次いで「労働時間が程よいから」が48.7%、「社会保険料の負担がないから」が43.6%という結果になった。

■Q5.「年収の壁」を意識した働き方に満足していない理由を教えてください。(Q3で「あまり満足していない」「まったく満足していない」の回答をした人への質問)

・「生活に必要な収入が得られていないから」が最多

「生活に必要な収入が得られていないから」が最多の67.7%、次いで「社会保険料がかかり始める年収が低すぎるから」が55.9%、「課税され始める年収が低すぎるから」が43.0%という結果になった。

■Q6.「年収の壁」のいくつかが廃止され引き上げられる見通しですが、こうした「年収の壁」にかかわる変化についてどう思いますか。

・約6割が「年収の壁」の変化を歓迎

「いいことだと思う(「非常にいいことだと思う」「まあまあいいことだと思う」の合計)」が59.7%、「いいことだと思わない(「あまりいいことだと思わない」「まったくいいことだと思わない」の合計)」が11.1%、「どちらともいえない」が29.2%という結果になった。

■Q7.もし「年収の壁」が引き上げられたら、働く時間を増やすなど現在の働き方を変えたいですか。

・約4割が「年収の壁」の変化で働き方を変えたい、一方で約3割は「どちらともいえない」

「はい」が38.9%、「いいえ」が28.6%、「どちらともいえない」が32.5%という結果となった。なお、年収別に見ると「はい」の割合が最も多かったのは「年収100万円以上110万円未満」だった。

※Q1とのクロス集計

■Q8.もし「年収の壁」が引き上げられ、現在より年収を増やすことができたら何に使いたいですか。

・「貯金」が最多、次いで「生活費や食費」「子ども関連の出費」など

「貯金」が最多の64.7%、次いで「日々の生活費や食費へ追加」が38.3%、「子ども関連の出費」が30.3%という結果になった。

■Q9.「年収の壁」について現在思うことや、今後期待することがあれば教えてください。(自由回答)

・「年収の壁」による働き控えへの不満や「年収の壁」の変化による好影響への期待、税収への不安などの声が集まる

現在の「年収の壁」への不満・意見と「年収の壁」の変化に対する期待・意見にわけて、全国から集まった意見を一部抜粋し原文のまま以下に掲載する。

<「年収の壁」への不満・意見>※一部抜粋

・もっと働きたい、と思っていても年収の壁によって働くのを控えるというのは個人にとっても企業にとってももったいないことだと思う。(30代女性・東京都)

最低賃金がどんどん上がっているのに、壁の関係で時間を減らすしかなかった。にも関わらず、仕事内容を増やされ、かなりキツイ状況だった。(40代女性・宮城県)

・働く時間が絞れたし、店長に言い訳しなくても休めたから壁があったほうがよかった。若い人たちと、年齢などで選択できるようにしてはと思う。(40代女性・愛知県)

・現在高校生の子どもが大学への進学を希望しているため、本当は少しでも収入を増やしたいのですが壁を超えて損をしないだけの時間を働くことができません。現在主婦で壁の問題で働き控えをしている人は130万がネックになっている人も多いと思います。(40代女性・愛知県)

・まだ子どもが小さいので今の働く時間くらいでいいと思っている。(40代女性・山口県)

・年収の壁で働き控えがあるのは非常に不満です。今年もそれでかなり勤務日を減らしていた。(50代女性・神奈川県)

・働きたいのに年末近くになると所得を抑えるために調整しなければいけないのが不満。(50代女性・神奈川県)

最低賃金が上昇しているにもかかわらず、税負担の壁である103万や106万、130万といった区切りが上がらないのはおかしいと感じていた。(50代女性・埼玉県)

・年収の壁が低すぎる。50過ぎてからでは正社員は難しく、パートで手取りが増えるようになってほしい。節約の毎日で、生活が楽しくない。(50代女性・大阪府)

<「年収の壁」の変化に対する期待・意見>※一部抜粋

・年収の壁を上げても保険料などを払ったら手元に残る金額が減ってしまうので短時間勤務の場合損になり、働き方が今までと変わらないと感じてしまう。(30代女性・神奈川県)

・年収の壁が引き上げられたとしても違う税などが増えて、結局手元に残るお金は変わらなさそう。(30代女性・神奈川県)

・もっと働きたい人や人手がほしい企業のために、引き上げや撤廃を求めているのであって、育児や家の事に専念したい人を無理矢理社会に引きずり出して働かせようとするために利用しないでほしい。(30代女性・山口県)

・年収の壁が引き上げられると、地方の税収が減り、今までのサービスなどを提供できなくなるという事を県知事が発言しているニュースを見たとき、一概にいいことだとは言えないなと思う。(40代女性・茨城県)

・年収の壁が引き上げられると、社会保険の負担が増えるので、結果的に手取りは減ることになると思う。税だけでなく、社会保険も含めて、現役世代の負担が増えるので、景気にはいい影響はないと思う。(50代女性・北海道)

・103万の壁だけでなく、年金など対象の106万円や、健康保険上の130万も同時に上がらないといけないと思う。(50代女性・埼玉県)

・壁を引き上げれば働く人が増えて、消費に回すと思う。消費が増えれば税収は補えると思う。(50代女性・千葉県)

・今以上に働かなくてはならないプレッシャーを感じる。(50代女性・千葉県)

■まとめ

「年収の壁」を現在意識して働いているという回答は約50%あり、特に年収100万円以上110万円未満の層で「壁」を意識している割合が特に高いことがわかった。しかし一方で約52%はそういった「年収の壁」を意識して働く現状に満足しておらず、その主な理由には「生活に必要な収入が得られない」などが挙げられていた。また、「年収の壁」の廃止や引き上げといった変化に対しては約60%が歓迎する一方で、それをきっかけに働き方を変えたいという人は約4割にとどまり、約3割の人は「どちらともいえない」と回答。なお、上がった年収の使い道には「貯金」や「日々の生活費・食費」に回答が集まった。

今後、もし実際に「年収の壁」の上限が引き上げられれば、夫婦・家族の働き方や家庭の家計について改めて見直す機会が増えるかもしれない。「コのほけん!」では保険の一括比較・見積もりサービスのほか、ライフコンサルタントによる保険の無料相談も実施されている。家族が働き方を変えた際のライフプランやお金・保険に対する疑問について、ライフコンサルタントが豊富な相談実績に基づいたアドバイスや提案をしてくれる。

なお、本アンケートについて担当者は次のように語っている。

「今回の調査では『年収の壁』について、皆様の貴重な生の声を集めることができたと感じています。もし今後『年収の壁』が動き、家計や保険などの見直しが必要となりましたら、ぜひ当社『コのほけん!』の各種サービスをご利用ください」

■調査概要

調査名:働き方に関するアンケート

調査主体:コのほけん!調べ

調査対象:全国の20歳から59歳のアルバイト・パートで働く既婚の男女360人

調査期間:2024年12月5日~7日の3日間

調査方法:インターネットリサーチ

※端数処理の関係上、グラフ内の割合は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にはならない

■「コのほけん!」とは

保険選びをオンラインで完結できるデジタル保険代理店。保険の見積り・比較・検討・申込まですべてをデジタル化し「自分に合った保険を、自分で選べる世界」を実現。直感的に操作しやすく、イラストやインフォグラフィックスを取り入れることで、複雑でわかりづらいと思われがちな保険商品を見やすく、わかりやすく掲載している。また、口コミや専門家のコメントが充実しているため、インターネットがあればときと場所を選ばず、保険を検討することができる。

「年収の壁」緊急アンケート調査

(出典 news.nicovideo.jp)

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