【国際】中国で従業員が経営者にひれ伏す動画が拡散し批判が殺到
【国際】中国で従業員が経営者にひれ伏す動画が拡散し批判が殺到
中国のネット上で、1本の動画が物議を醸していた。オフィスビルのエレベーターホールと思われる場所で、20人ほどの従業員らが床に這いつくばり、経営責任者と思われる人物を迎えているのだ。
そして一斉に忠誠を誓うスローガンを唱えるという、異様な光景が繰り広げられた。動画を見た人々からは、「彼は皇帝か何かなのか?」「あり得ない」といった批判が殺到している。
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経営者の登場をひれ伏して迎える従業員たち
この動画が撮影されたのは、中国広州にあるオフィスビルと見られている。エレベーターの前で、男女の従業員たちが床にひれ伏している異様な光景だ。
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やがてエレベーターのドアが開き、1人の男性が降りてくる。すると従業員たちはいっせいに何かを唱え始めるのだ。どうやらその内容は、次のようなものらしい。
啓明支店の黄社長、ようこそ。私たちは生きていようが死んでいようが、わが社の使命を決して失敗させません
まるで映画かドラマのワンシーンのように現実味のない光景だが、経営管理者への服従を強いられているようにも見える。
批判が殺到すると会社は「捏造」だと否定
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この動画がネットで公開されると、国内外に大きな衝撃が走った。視聴者の多くは、中国の悪しき労働文化への懸念を表明した。
これに対し、動画の舞台となったとされる教育機関の法務部からは、「このような慣習はない」と否定する声明が出されたという。
同機関には確かに「黄」という名前の幹部がいるが、このような活動に関与したことは一度もないとのこと。
この動画は機関に永続的な悪影響を及ぼしました。内容は故意に編集または捏造された可能性があります
なお、この教育機関は2020年末には業務を停止し、現在は組織の解散に向けた準備を進めているところだという。
中国で相次ぐ「悪しき労働文化」への批判
今回の映像については、現在自治体当局が捜査中とのことだが、中国では近年、このように行き過ぎた企業文化が話題になることが増えたという。
成都にある金融会社では、業績の悪い社員2人に対し、激辛の「死の唐辛子」を無理やり食べさせ、緊急搬送される事件が発生した。
また、別の事例では「健康維持ポリシー」を掲げ、従業員に毎日18万歩歩くことを強要した企業もあったという。この「ノルマ」を達成できなかった従業員には、罰金が科されたそうだ。
カラパイアでも、ノルマを達成できなかった社員に、四つん這いで行進させた会社を記事にしたことがある。
短期間で経済大国への道を駆け抜けてきた中国だが、その分格差も急速に広がった。その歪みが今、こういった目に見える形で現れてきているのかもしれない。
References: Chinese Company Employees Fall At Boss‘s Feet, Chant ‘We Will Give Our Lives For You’[https://ift.tt/CqPkEannese-company-employees-fall-at-bosss-feet-chant-we-will-give-our-lives-for-you-ws-ab-9159011.html]