【社会】決まりでは「赤」「黄」「緑」の3色……でも青信号なのはなぜ? 信号機の「色」のトリビア
【社会】決まりでは「赤」「黄」「緑」の3色……でも青信号なのはなぜ? 信号機の「色」のトリビア
この記事をまとめると
■交通信号には赤・黄・緑の3色が割り当てられている
■CIEによって決められており、3色は世界共通
■「青信号」は日本独自の表現だ
CIEにより赤・黄・緑の3色と規定されている
子どものころから教えられるものは数知れず存在するが、そのなかのひとつとして挙げられるのが、信号機。自身の安全を守るために重要なものであると同時に、社会のルールも学べるという面でも大きな意味をもつ信号機は、生きていくなかで欠かせない知識であるといっても過言ではない。
しかし、どこか自分勝手な解釈をしている大人が多いのも気になるところ。「青は進め、黄は注意して進め」などといったように、都合のいい考えが身についてしまっているのである。事実、目の前の信号機が黄色になると、アクセルを踏んで通過するクルマが多い。
しかし、それは本来の意味とは大きく異なる。青は「進んでもよい」であり、黄は注意信号で「止まれ」に該当するのだ。ただ、黄信号は「安全に停止できない場合は進んでもよい」という意味をもっている。青から黄になった途端に止まれといわれたところで、ドライバーが対応できないケースなど容易く想定できるからだ。
つまり、赤になりますよという予告的な意味合いをもち、注意を促しているのである。そうして考えると、アクセルを踏んで加速するという行為が、いかに愚かなものなのかがおわかりいただけるだろう。
では、なぜ信号機の色は、赤・黄・緑なのだろうか。
そもそもこの3色になったのは、色の3原色を使用したからだといわれている。これは日本に限ったことではなく、海外においても日本と同じ赤・黄・緑が使われている。CIE(国際照明委員会)によって、信号機は赤・緑・黄・白・青の5色と規定されており、交通信号機には赤・黄・緑の3色が割り当てられているからである。
そして、ほとんどすべての国で「止まれ」は赤、「進んでもよい」には緑が使われている。赤は色の波長がとくに長く、視神経を強く刺激する色であるため、止まれに用いられたようだ。緑はそんな赤と対極にある色だから、そして注意喚起を意味する黄は、赤と緑の中間にある色だから使われているという。ちなみに、日本で最初に交通信号機が設置されたのは、1930年のこと。アメリカ製の信号機で、交差点の中央に信号機を置く「中央柱式」と呼ばれるものであった。
道交法にも「青信号」と記載されている
それから信号機も進化を遂げてゆくのだが、なぜか緑に限っては色が異なる「青信号」と呼ぶ。青も緑もCIEの規定に適した内容ではあるのだが、なぜに緑信号ではなく青信号なのだろう。
自動信号機が導入された当初では、日本でも海外に倣って赤・黄・緑の3色として認識されていたという。しかし、第二次世界大戦後の1947年に制定された道路交通取締法第3条、そして現在の道路交通法施行令の第3条では、青信号と記されている。それでも緑色を使用している理由として考えられるのが、どうやら日本語の「青」が、幅広く活用されているところにあるようだ。
たとえば、青葉である。これは草木の葉を示す言葉であるため、当然のごとく青ではなく緑色である。それを青葉と呼び、緑色の樹木のことを「青々としている」と表現することもある。つまり、日本では緑と青は同じ意味合いで使われることが多いため、緑色であるのに「青信号」と表現されるようになったようだ。また、赤の対極にある色は青であるから、色の3原色が赤・黄・青であるから、緑色であっても青信号として扱うようになったという説もあるようだ。
普段なにげなく見ている信号機にも、細かな規定やルールなどが存在する。ちなみにもっとも重要な意味を持つ赤は、左側通行の日本においてはドライバーの目線に近く、離れた場所からでも確認しやすい横型信号機の右端に設定されている。これには、街路樹などによって赤信号が隠れてしまうことを避けるという意味も込められているようだ。また、雪国などで見かける縦型信号機では、1番上が赤になっている。要するに、1番目立つ場所が赤になっているというわけだ。
だからこそ、赤信号を見落とすことは決して許されない。ハンドルを握る以上、赤信号を守ることがなによりも重要であるということを、忘れてはならない。