【社会】「手取り月36万円」45歳サラリーマン、ローン返済と教育費で家計は火の車。「小遣い月3万円」で我慢も…78歳母からの「お金を貸して」の電話に絶句「どうしたら良いのか」
【社会】「手取り月36万円」45歳サラリーマン、ローン返済と教育費で家計は火の車。「小遣い月3万円」で我慢も…78歳母からの「お金を貸して」の電話に絶句「どうしたら良いのか」
老後の生活を支える公的年金。しかし年金だけで暮らせる人は少数派で、働いて収入を得たり、貯蓄を取り崩したり。なかには、子どもから仕送りをしてもらっている人も。しかし、子どもの事情で仕送りがストップ。窮地に陥るケースも少なくはありません。
45歳サラリーマン、長男に続き、次男も中学受験…教育費は膨らむばかり
池田健太郎さん(仮名・45歳)。東京郊外在住、2歳下の妻、2人の子どもの4人暮らし。長男は今年中学受験と、家中がピリピリしているといいます。
――今まで頑張ってきたので、何とか第一志望に受かってほしいですね
そう話す池田さんですが、この先を考えると不安でしかないといいます。周囲の友だちに触発されて「僕も中学受験をしたい!」と言い出した長男。中学、高校、さらに大学まで国公立という思惑は、「子どもの希望を第一優先」という方針のもと、あえなく崩れ去りました。そして長男が中学受験をするのだから、次男もさせないわけにはいかない……小学4年生、すでに中学受験を見据えています。
文部科学省『令和5年度子供の学習費調査』によると、幼稚園から高等学校卒業までの15年間の学習費総額は、すべて公立に通った場合が596万円、すべて私立に通った場合が1,976万円。公立と私立で大きな差が生まれています。さらにここに大学進学までプラスすると……この先を不安に思うのも仕方がありません。
これで給与が上がってくれたら、というのが全サラリーマンの願いです。厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査(速報)』によると、一般労働者の所定内給与額は33.02万円で前年比3.7%増。前年から3%以上の増加となるのは、1992年以来30年以上ぶりのこと。ただ、それ以上の物価高を記録し、実質給与減が続いているのはご承知の通り。
池田さんの給与は月収で48万円と、同年代の大卒サラリーマンを上回っているものの、手取りにすると36万円程度。そこから子ども2人分の塾代、月15万円のローン返済、家族4人の生活費を引いていくと、ほぼ何も残らず……。
【月収48万円サラリーマンの手取り額】
■額面…480,000円
(内訳)
所得税…19,069円
住民税…25,655円
健康保険…23,453円
厚生年金…43,005円
介護保険…3,760円
雇用保険…2,880円
東北の実家でひとり暮らしの母からの電話「お金、貸してくれないか?」
――私だけの給与ではとてもとても。契約社員で働いている妻の給与を足して、何とかやっているレベル
削れるところは徹底して削る……そんな方針のもと、池田さんの小遣いも削られ、月3万円。毎日、自分でお弁当(白米を詰めるだけ)を持参してしのいでいるといいます。
――弁当箱をあけると白米だけですから、周りはドン引きですよ(笑)
それもこれも家族のため……涙ぐましい努力を続ける池田さんのもとに一本の電話。それは東北の実家に暮らす母(73歳)からでした
――「お金、貸してくれないか」というもので……
思わぬ申し出に、一瞬、言葉を無くしてしまったという池田さん。実家は雪深い北国。そろそろ家を直さないと、今年の冬は越せそうもない。なんとか工事費用を工面しようとするも、年金生活のなかでは限界があり、長男である池田さんに相談、ということでした。
――物価高で何を買うでも高くて。灯油もずっと高いまんまだし、年金だけだとお金が足りないのさ
離れて暮らす高齢の母親。顔を合わせるのは1年に1回か、2回か。最近は会うたびに背中が小さくなっていくのを感じます。そんな母親からの願い事ですから叶えてあげたいけれど、月3万円の小遣いで耐える身。ローン返済に教育費と、とてもお金を貸すほどの余力はありません。「どうしたらよいのだろう」と考えても自分だけでは埒が明かないので妻に相談してみるも、池田さんと同じように絶句。ただ「寒い家で体調を崩されたら、もっともお金がかかるだろうし……」と心配を口にします。そこで妻からこんな提案。
――とりあえず、お小遣い、もう1万円頑張ろうか。私もお義母さんをサポートできるよう、やりくりしてみるから
なんと、さらにお小遣いが減るのは正直かなり苦しい。しかし、自分のできることといえば……。45歳サラリーマン、月2万円のお小遣いで頑張っています。
[参考資料]