【国際】トランプ関税、東南アジアにも衝撃―独メディア
【国際】トランプ関税、東南アジアにも衝撃―独メディア
2025年4月3日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、トランプ米大統領による輸入関税の対象となった東南アジア諸国の反応について紹介する記事を掲載した。
記事は、ベトナムやタイなど東南アジア諸国は第1次トランプ政権時の対中輸入関税政策により、国際企業が生産拠点を中国から移転してくるなどの経済的なメリットを享受したものの、今回は自らも32〜49%という想定外の税率による関税対象国になったと紹介した上で、東南アジア諸国の反応を伝えている。
まず、アップルやナイキ、サムスン電子といった大手国際企業が大規模な生産拠点を構え、今回46%という高い関税を付加されたベトナムについては、ファム・ミン・ジン首相が3日に関税に対処するための特別作業チーム創設を指示したと紹介。同首相は年率8%の経済成長目標は変更しないと強調しているものの、税率の高さから一定規模の影響は避けられず、過去に米国に譲歩した事例も鑑みれば今後米国にさらなる譲歩を示すことが予想されると伝えた。
37%の関税が課せられたタイについては、プラユット・チャンオチャ首相が想定を上回る税率だったことに懸念を示した上で、GDPの目標に影響を与える事態を避けるべく米国との交渉を進める姿勢を示したと紹介。昨年のGDP成長率が2.5%と地域の周辺国より低く、今年は3%の成長率を市場目標に据えていることを伝えた。
また、税率24%のマレーシアは政府が報復措置を取らないことを表明しており、貿易省が米当局との積極的なコンタクトにより「自由で公正な貿易精神に基づく解決策」を模索しているとコメントしたことを紹介している。
さらに、地域で最も高い49%の税率をかけられたカンボジアについては、衣料品や靴産業が深刻な打撃を受けることが予想されると指摘。国内のある投資専門家が、関税は同国経済にとって極めて深刻な危機と語るとともに「カンボジアはほとんど交渉材料を持っておらず、交渉の列に並んでも後ろの方になるだろう」と悲観的な見方をしていることを伝えた。
記事は、3日時点で報復関税を発表している東南アジアの国がないことを合わせて紹介している。(編集・翻訳/川尻)
