【社会】「日本に何しに来てんだよ」 外国人の「万引」深刻化にSNS怒り…“強制送還”はあり得るのか【弁護士に聞く】
【社会】「日本に何しに来てんだよ」 外国人の「万引」深刻化にSNS怒り…“強制送還”はあり得るのか【弁護士に聞く】
年々深刻化している、外国人による「万引」行為。報道によると、ドラッグストアを狙った外国人による万引の被害額(1件あたり)は平均7万8936円で、日本人の平均1万774円を大きく上回っているということです。また、旅行客などの来日外国人による万引きの被害額(1件あたり)は平均8万8531円と8万円を超えていることも明らかになっているといいます。
こうした報道を受け、SNS上では「ここまでひどいのか…」「治安悪くなりそうで怖い」「日本に何しに来てんだよ」といった不安や怒りの声が相次いでいるほか、「しっかり対処してほしい」「当然、罪に問えるよね?」「強制送還みたいなことにはできないのか」など、厳しく処罰してほしいという声も少なくありません。実際のところ、外国人が日本国内で万引をした場合、どのような罪に問うことができるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士にお聞きしました。
“日本国内”で行われた万引である限りは…
Q.まず、「万引」という犯罪行為の刑罰について教えてください。
牧野さん「万引は金額の大小にかかわらず、窃盗罪(刑法第235条、10年以下の懲役または50万円以下の罰金)に処されます。スーパーやコンビニなどでの万引行為は、窃盗罪に該当します。万引が目の前で行われた場合には、現行犯として、逮捕状がなくても誰でも逮捕することができます(刑事訴訟法213条)。
なお、窃盗罪の法定刑は最大で10年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、実際の刑罰はこの範囲で、被害や悪質性・反復性を考慮して裁判所が決定します。被害額が少額であれば、罰金で済む場合もあります」
Q.日本国内において、外国人(旅行者/在住)が万引をした場合、どのような罪に問われる可能性がありますか。日本人が万引をしたケースとの違いはあるのでしょうか。
牧野さん「外国人が万引をした場合も、先述の窃盗罪(刑法第235条)に処されます。刑法第1条(国内犯)において、『この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する』と定められているからです。
よって、日本国内で行われた万引である限りは、外国人であろうが(旅行者・居住問わず)、日本人であろうが、同じ窃盗罪に処されます」
Q.外国人が日本国内で万引をした場合、強制送還などの可能性もあるのでしょうか。
牧野さん「はい。出入国管理及び難民認定法(入管法)24条の規定により、窃盗罪で懲役に処せられた場合には、『退去強制』が命じられる可能性があります。
なお、入管法5条の規定により、『(窃盗罪など)懲役に処する判決の宣告を受けた者で、その後出国して日本国外にいる間にその判決が確定し、確定の日から5年を経過していないもの』は日本へ入国することができないため、ビザも発給されません」
オトナンサー編集部
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