【国際】韓国・セウォル号事故11年、「安全が後回しになる旧態から抜け出すことを願う」と主要紙

【国際】韓国・セウォル号事故11年、「安全が後回しになる旧態から抜け出すことを願う」と主要紙

11年目を迎えるセウォル号事故は、私たちに安全の重要性を改めて考えさせる機会となっています。過去の教訓を忘れず、常に先を見据えた取り組みが必要です。

韓国沖で大型旅客船「セウォル号」が沈没し、修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲になった事故から16日で11年を迎えた。韓国紙は社説で最近も山林火災などの大きな災害や事故が相次いでいると指摘。「韓国社会が利潤を優先するあまり安全が後回しになる旧態から抜け出すことを切に願う」と訴えた。

ハンギョレ新聞は社説で「最近、慶尚道一帯を焦土化させた大規模な山火事ソウル都心の真ん中で発生したシンクホール(道路陥没)のような事故で、市民たちは依然として不安を抱えている」と論評。「東亜大学緊急対応技術政策研究センターなどがこのほど実施したアンケート調査で、市民の10人のうち4人が韓国社会が大規模災害に脆弱(ぜいじゃく)だと認識していることが分かった」と続けた。

アンケート調査結果によると、大規模災害や事故から「安全ではない」と回答した割合は44%で、「安全だ」(17.6%)という回答の2倍以上だった。安全だという回答は2021年43.1%から今年17.6%へと半分以上減少した。

セウォル号惨事以降も22年10月のソウル・梨泰院雑踏惨事では159人が亡くなり、昨年6月の京畿道華城のアリセル工場爆発惨事では移住労働者ら23人が犠牲になった。昨年末には南西部・全羅南道の務安空港で、済州航空の旅客機が着陸時に滑走路で止まらず、壁に激突して炎上し、乗客・乗員179人が命を失った。

社説は「このような大規模災害・事故が相次いでいるのに、安全だと感じる市民がどれほどいるだろうか」と疑問視。「一様に安全より利潤を優先したことで発生した惨事だ」として、3月下旬、慶尚道一帯に広がった山火事を取り上げ、「『人災』によって被害がさらに大きくなった」と政府の対応を批判した。

この中では「今回の山火事に投入された鎮火ヘリコプターの数が22年の蔚珍・三陟の山火事当時に動員されたヘリの数よりも少なかった」と説明。「慶尚道一帯の山火事の人命・山林被害は蔚珍・三陟の約3倍だ。以前に発生した山火事できちんと備えを整えていれば、被害を減らすことができたはずだ。ところが山林庁が保有している消火ヘリ50機のうち、ロシア製のヘリなど10機は部品調達と整備問題で今回の山火事現場に出動できなかった」と当局の責任を追及した。

その上で社説は「今回の山火事は春の農繁期を迎え農作業の準備の真っただ中だった農業関係者からすべてを奪った」「住民たちは史上最悪の山火事で生活の基盤をすべて失った」と言及。「政府は補正予算の規模を12兆ウォン(約1兆2000億円)に増やし、災害・災難対応分野に3兆ウォン以上を投資するというが、お金をつぎ込むことより重要なのは、市民の安全を重視する姿勢だ」と主張した。(編集/日向)

韓国沖で大型旅客船「セウォル号」が沈没した事故から11年。主要紙は「韓国社会が利潤を優先するあまり安全が後回しになる旧態から抜け出すことを切に願う」と訴えた。写真はセウォル号事故。

(出典 news.nicovideo.jp)

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