【気象】九州に発達した雨雲 線状降水帯発生も 土砂災害・低地の浸水・川の氾濫に厳重警戒
【気象】九州に発達した雨雲 線状降水帯発生も 土砂災害・低地の浸水・川の氾濫に厳重警戒
今日9日の午前11時半現在、九州付近は広く雨脚が強まっており、九州南部では局地的にカミナリを伴った激しい雨が降っています。東シナ海には後続の雨雲が控えており、このあとも活発な雲がかかり続ける見込みです。また、今夜にかけては線状降水帯が発生するおそれがあり、土砂災害などに厳重な警戒が必要です。
鹿児島県に土砂災害警戒情報
午前11時前、鹿児島県の指宿市に土砂災害警戒情報が発表されました。避難が必要な危険な状況となっています。崖や川の近くなど、土砂災害の発生するおそれがある地域にお住いの方は、早めの避難を心がけるとともに、市町村から発表される避難指示などの情報に注意してください。
鹿児島県では、特に県本土の南側の地域を発達した雨雲が次々と通過しており、このあとも警戒エリアが広がる可能性があります。最新の雨の情報をこまめに確認してください。
九州は2日間で400ミリの大雨も 土砂災害などに厳重警戒
活動が活発な梅雨前線の影響で、九州ではこのあとも断続的に雨が降る見込みです。局地的にカミナリを伴って滝のような非常に激しい雨が降るでしょう。今夜21時ごろにかけては、鹿児島県(奄美地方を除く)で線状降水帯が発生し、大雨災害発生の危険度が急激に高まるおそれがあります。九州南部では、これから今夜の21時ごろにかけて、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
前線は、明日10日にかけて九州をやや北上し、その後、停滞する見込みです。明後日11日ごろにかけては前線の活動が活発で、九州南部だけではなく、九州北部でも大雨となるでしょう。特に、福岡県の筑後、熊本県の阿蘇、大分県の西部を中心に雨の量が多くなり、今後2日間で400ミリ程度の大雨となる所もある見込みです。
線状降水帯が予測されていない地域でも、土砂災害などに警戒が必要です。また、新たに線状降水帯の予測情報が発表される可能性がありますので、今後の情報に留意してください。
線状降水帯とは
線状降水帯とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのことです。同じような場所で顕著な大雨が続くことから、甚大な災害が発生する恐れがあります。
線状降水帯が発生するしくみ(メカニズム)の代表的なものに「バックビルディング現象」があります。これは、風上で次々と発生した雨雲が、発達しながら風に乗って同じような場所に流れ込み、線状の強雨域が形成されるものです。
※発生メカニズムに未解明な点も多く、全ての線状降水帯が同じようなメカニズムになるとは限りません。
線状降水帯が発生する時間や場所を、正確に予測するのは難しいため、いつ線状降水帯が発生しても避難できるよう、普段からの準備や心構えが必要です。事前にハザードマップにて、氾濫の恐れがある河川や、土砂災害の恐れがある所を確認しておきましょう。避難場所や避難経路を決める時に役立ちます。
